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2007.12.13 (Thu)

最近あらたなギター曲を・・・

最近、譜面が手に入ったので新しい曲に手を出している。
「コユンババ」という曲だ・・・。

この曲は非常に特殊で、調弦を通常の「ミ・ラ・レ・ソ・シ・ミ」から「♯ド・♯ソ・♯ド・♯ソ・♯ド・ミ」という、とんでもないチューニングに変えなくてはいけないので、この曲をやるときは一番初めか一番最後に練習する。他の曲を練習できなくなるからだ。

楽譜では「レ・ラ・レ・ラ・レ・ファ」という、いわゆる「Dマイナー」にオープンチューニングするように書いてあるのだが、それだと3弦で2度、2弦で3度も音を上げることになり、ギターへの負担が大きくなる、そのため全てを半音下げて「♯Cマイナー」にするのが一般的なようだ。

そもそも、これはイタリア人のカルロ・ドメニコーニが作曲した曲であるが、トルコの民族音楽をモチーフに作曲した曲なので、雰囲気としては半音低いくらいの調弦の方がイメージが合う気がする。「Dマイナー」だとちょっと明るすぎるきらいがある気がする。

また、ギターというものは非常に繊細な楽器で、弦の太さとその音に調弦したときの張力などが微妙なバランスで製作されているので、音を2度下げたりするような調弦は多いが、張力を上げるとなると負担がかなり大きくなる。もしこの指定通りの調弦で、この曲だけを演奏するのであれば、1弦を一番細い・柔らかい弦(スーパーローもしくはフラメンコ)を使い、2弦に1弦を張り、3弦に2弦を張るなどの工夫が必要であろう。そうすればギターへの負担も少ないし、理想的な張力で弾けると思うが、正直言ってここまで調弦を変化させるギター曲は少ない。まして、音を上げるような調弦は聞かない。

音楽のバックグラウンドを考えても、ギターへの負担や、音の変化度合いを考えても、この「♯Cマイナー」に調弦するのが理想的なんでしょう。

しかし、指定の調弦の場合(Dマイナー)では3本の弦を調弦し直せば良いが(但し6弦D調弦の時)、この場合は1弦以外全て調弦し直しである・・・と言う問題もある。だから、練習の時、同じギターで練習する場合は一番初めか、一番最後にする。

そもそも6本ある弦のうち、3本が同じ音、2本が同じ音、結局3種類のオクターブ違いの音しかない調弦というのもおかしなものだ。しかしこのおかしな調弦から、世にも不思議なエキゾチックな曲が紡ぎ出されるというのだからギターというのは不思議な楽器だ。
曲を聴いても、弾いても、いかにもギタリストが生み出した、ギターの限界を打ち破るような素敵な曲だ。


では譜面はどうなっているのか?

面白いもので、普通に楽譜が書いてあるかと思いきや、そうではなかった。

楽譜は2行に分けられて書かれていて、いわゆるピアノの大譜表の様になっている。もちろん、下行はヘ音記号でもなくて普通のト音記号。また藤井圭吾さんの「羽衣伝説」のように、上下の楽譜両方を見るように、低音と高音が別れているわけでもない。上の行は実際の音符の動き、下行はギターを「通常の6弦D調弦と仮定した場合に押さえる場所を示すための楽譜」である。つまり下の楽譜をD調弦のギターを弾いていると仮定して演奏すると、上の楽譜の音楽が流れると言うもの。
コユンババ楽譜
こんな感じ。

ただし、実際の楽譜よりも全て半音低い音で演奏されるから、移調していて実際の音でもないのであるが・・・。きっと絶対音感のある人は弾けない曲かもしれません、と先生が言っていた。そりゃそうだ、実際に追っている楽譜と、聞こえてくる音が違うんだから。余り正確な楽譜を読む能力と音感があったら、おかしくなってしまうかも知れませんね。


曲は、まだまだ始めたばかりで半分ほどしか覚えていないが、非常に面白い曲でどんどんのめり込んで行っている。


この曲は初めて聴いたのはウイリアム・カネンガイザーの演奏で初めて聞いた。名前だけは知っていたが、どんな曲かは知らなかったし、ましてや調弦をここまで変えるなんて知らなかった。たまたまコユンババが収録されているアルバムを購入し、聞いてみて感動した。その時は自分に手が出せる曲だとは思っても見なかったのだが、楽譜を見てみてやる気が出た。
チューニングを変えることで楽譜が読めても、運指を追うことができるとは思わなかったからだ。1ページやるのに2・3ヶ月過ぎてしまいそうなイメージがあったからね。

カネンガイザー
ウイリアム・カネンガイザー
ロサンゼルス・ギター・カルテットのメンバーであまりに有名、あこがれのギタリストです。使用楽器はポール・ジェイコブソンと聞いていますが、この演奏を聴くとほんと欲しくなる。

いま、ようやく中間のカンタービレにはいりました、普通の調弦と同じように楽譜を読めばいいのだけど、それでも難しい・・・困ったものだ。この曲をやると言うことが、楽譜を見る練習、スラーをうまく使う練習、変則的なアルペジオの練習になっている。面白い。

さ、どんどんやるぞ!

しかし「コユンババ」と言う名前もすごいね、インパクトありすぎ。名前聞いただけで何が始まるの?っていう気にさせてくれます。

名前の由来は、イタリア人のドメニコーニ氏が、トルコのある地方にリゾートに行ったときに訪れた小さな漁村、そこには数軒の漁師の家族が住むだけだったが、全ての家族の苗字が「コユンババ」さんだったとか、それでその地方に伝わる音楽をモチーフに書き上げたこの音楽を聴いてもらったら、これは私達の音楽だと喜んでくれたのでその地名であり、家族の名前である「コユンババ」という名前を曲につけたとか。また現地語で「水の精」という意味もあるとかないとか。どちらにしても素敵な話しです。



ま、しかしもちろん今の本命「魔笛の主題による変奏曲」、ことば座で演奏予定の「サクラ変奏曲」なども毎日気を入れて練習してます。

今月末には正式にレコーディングすることも決めた。今の自分の演奏を録音しておきたくなって、素晴らしいマイクと機材をもっている人が貸してくれると言うことになったのだ。

最後の最後で、たのしいギターライフを送れていることに感謝ですね♪


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2007/12/18(火) 06:34:02 | 越後屋つれづれ日記(クラシックギターブログのポータルサイト&与太話from千葉)
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